未来の祀り ふくしま Miraino Matsuri Fukushima

未来の祀りふくしま2015とは

背景・現状

「解決の糸口」を見い出すことができない絶望と怒りと悲しみ…このままでいいのだろうか

今、東日本大震災から4年の月日が経とうとしている。
私たちは、まちづくりのイベントを震災前から十数年継続して行ってきた。様々な人々のつながりや暮らしへの視点を、郷土への愛を分かち合ってきた。
震災の翌日も、私たちの十数年のまちづくりの集大成をはかるべく、大きなイベントの開催を予定していたが、断念せざるを得なかった。この震災は、福島県民にはかりしれない甚大な被害と心の傷をもたらしたが、私たちのまちづくりの集大成のイベント開催中止もまた、震災が与えた決定的なものとして当時の仲間たちの心に映った。
時間の経過とともに避難していた人々が福島に戻り、街の暮らしはしだいに年月を経て、落ち着きを取り戻していく。しかし多数の死者・行方不明者をもたらした津波の災害、未曾有の原子力災害、避難の問題や孤独死、風評など幾重にも重なる苦しみは、心に払拭できない絶望と怒りと悲しみとを与え、今なお、解決の糸口を見い出すことのできないまま暮らし続けざるを得ないことを、私たちに余儀なくしている。このままで良いのだろうか。
私たちの故郷・福島で、今を分かち合いながら前を向いて歩き出そうとする心、文化の復興を苦境の中でも築き上げようとすることこそが、子どもたちに福島人の、日本人の後ろ姿を見せていくことになるのではないかと強く考える。


企画趣旨

鎮魂と再生の新しい伝統文化、
震災に屈せず故郷を守り抜いていく姿を世界に発信!

震災から4年の月日が経ち、私たちは様々な震災からの思いを経て、再びまちづくりの活動に取り組むことにした。
数多くの人々の死を受けとめ、悼むことから活動を再開したいという声が集まった。今回の震災で、鎮魂の文化そのものがこの現在の日本において乏しいのではないかという事実をそれぞれに感じてきたからである。まずは、数多くの同じ福島・東北人の命が失われたというゆるぎのない事実について、それに深い哀悼を捧げることから始めることにしたい、と。

失われた魂に心を捧げること。それを中心に置きながら、震災に屈せずこれまでの故郷の歴史・伝統と未来の概念について考えをめぐらせる文化・教育のありかたを模索していきたい。そして、私たちが思いをめぐらすに至った、震災の意味から作りあげていこうと思案する、新しい伝統文化の胎動から誕生を、福島から日本のみならず世界へと発信し、これからの未来を担う子どもたちに示したい。

「神楽」で悼み、「祭り」で祓い、
再生の力にして新しい社会を作っていく

今日の終わりは、明日の始まりである。冬の終わりは、春の始まり。震災の年を一つの完全な節目と考えると、その次は「再生」しかない。厳かに閉じて、そこから新しい命が再生されていくための祭事。今回の企画を私たちは、再生のための祭事と考える。
震災で亡くなられた方の怒り、無念、悲しみ。そして、今なお我々の中でくすぶる憤り、絶望、取り残されていくような孤立感…そうした様々な思念を祀り、鏡のように映し出し、意識することで様々な思念をゆるし、開放しながら、再生を確かなものにして新しい社会を作っていく。


ふたつの柱

1.「ふくしま未来神楽」の創作

~鎮魂と再生~
初年度の取り組みとして、震災で亡くなられた方々を悼み、魂に思いを馳せるレクイエムの文化としての、また、福島の地より震災の真実を伝え、希望を祈り、伝承していく全く新しい表現としての、「神楽」の創造を被災者である私たちの手で作り上げることを試みたい。

神楽をひもとくと、信仰の始まり…縄文時代までさかのぼることになる。楽しいほど魂が喜ぶと言われていた古代の祭りでは、欠けては満ちる月の再生する力を土偶に集中させ、その土偶の周りで歌や踊りを賑やかに捧げた。祭りがいよいよ最高潮に達すると、土偶を割り大地に戻し、土偶が宿した月の再生力を大地へ蒔いたと言われている。

福島市飯坂町東湯野から出土した月を見ている縄文時代の土偶もまた、鎮魂と再生の祭りの象徴として使われたと思われる。我々は、縄文時代に端を発する「すべての命が再生される祭り」を、震災に屈せず故郷を守り抜いて行こうとしている私たちの手で鎮魂と再生の祈りを込めて「ふくしま未来神楽」として作りあげ、次世代へと伝えていきたい。

神楽監修・スペシャルアドバイザー:

  • 懸田弘訓氏
    (民俗学者、民俗芸能学会福島調査団長県文化財保護審議会委員、会津大、郡山女子大学短期大学部非常勤講師、民俗芸能学会評議員)
  • 森 幸彦氏
    (福島県立博物館学芸員、南相馬市伊勢大御神 宮司)
  • 特別協力 丹治正博氏
    (福島稲荷神社宮司)

2.「ふくしまにまなぶ、ふくしまでまなぶ」

二本目の柱として、これらの創出や伝承の活動を福島のまちづくりのひとつの歩みの始まりとし、福島の現状をとらえ未来を語り合う様々な対話や学びの場を企画する。
ここでは、福島で、東北で、そして日本で暮らす私たちの新しい視座を共有しあえることを前向きにまなざしていきたい。
第一線の文化人を招いたり、福島にゆかりのある地元の文化人との交流を重ねたりしながら、世界に誇れる福島の新文化への足がかりのご助力を様々な方々にいただきワークショップを開催する。

(2015 イベントスケジュールはこちら)


未来の祀り2015 チラシ

フライヤー表

フライヤー裏

フライヤーPDF

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