金沢黒沼神社におじゃましてきました

2016年、6月4日、

いよいよはじまる「未来の祀りカフェ」、第一回にお招きしている、

福島市松川にある、金沢黒沼神社十二神楽保存会の会長さんと、

金沢黒沼神社の現宮司さんのお母様、半沢さんにお会いしてきました。

 

松川の豊かな自然の中にある金沢黒沼神社。

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ナビを頼りに車を走らせましたが、

社殿を見るまでは、

ちゃんと到着できるのか、ドキドキ。

 

たどり着けば、立派な鳥居と風格あるお社の佇まい。

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にこやかにお迎えくださった保存会の沼崎会長さんと、半沢さん。

 

その歴史は、1,000年以上だそう。

継承されているのは、

桃山時代に始まった神楽。

遠く江戸まで習いに行ったり、

その後は伊勢より神楽を教えて下さる方を招いたりして習い、

始めたものなのだそう。

 

歴史をたどると、

「どこの神楽も、たいてい3回くらいは習ってるようだよ。」と半沢さん。

その後、「同じものにならないように、独自のスタイルに発展させた」と言われているのだそう。

昔の福島の人たちが、

どんな思いで神楽を習いに行き、始めたのか。

そして、当時、神社に集まっていた土地の方たちは、

何を見つめていたのでしょうか。

 

今度のカフェで

金沢黒沼神社十二神楽の解説をご担当くださる民俗学者の懸田弘訓先生は、

以前お話をうかがった中で、

「保存・継承」ではなく、「継承・発展」。

変化させてきたからこそ、

伝統芸能は今に受け継がれている、と教えてくださいました。

 

金沢黒沼神社十二神楽には、

農作業を表したものや、神話を元にして、

剣の舞、天狗などの全17演目があるそうです。

最初の演目で「みこと」が登場し、

次の演目で天狗が現れて、土地を開墾し、

3番目では耕し、

4番では種をまき、

5番目には、野獣に荒らされないように四人の弓を持った者たちが現れる・・・・・。

というように、

物語がつながってつづいていくと教えていただきました。

 

おもしろいなぁ。

 

弓の演目を奉納する年は、

午前中から地域の方々がみんなで集まって、

竹から竹ひごを作り、

弓を何十本も手作りするんだとのこと。

奉納する日はお祭りで、

作業が終わると、

皆で盃を酌み交わしたり、

地域で作った美味しいものを囲んだりして、

社務所で遅くまで語り合ったものだよ・・・

懐かしいなぁ、と

金沢黒沼神社の娘さんである半沢さんは目を細めます。

 

お祭りが終わると、その弓を縁起物として、

集まった人たちに配るんだそうです。

 

弓を作るのはとても手間と時間がかかるらしく、

今回のカフェでお教えいただくアイディアは叶わなかったのですが、

先の懸田先生は、

「伝統芸能は、飢饉や災害があった時代もやめないできた。

それは地域を創っていく核になるから。

一つのことを苦労して、

一つのことを成し遂げて、結束を強める。」

その役割も果たしてきたのだと教えてくださいました。

 

未来の祀りにもつながるこの言葉。

 

6月26日の第1回未来の祀りカフェ第一部では、

金沢黒沼神社十二神楽の皆さんが、

実際に伝統神楽を披露くださいます。

そして、懸田先生もお越しくださることに。

さらに、濃く、楽しいお話がお聴きできそうです・・・。

ぜひご来場ください。

(Atsuko)

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